インドネシアの入院体験記

    インドネシアに住んで十数年。海外傷害保険も高くなる一方のため加入することをやめ、「何かあれば、すぐ日本に帰ればいいや」と軽く考えていた私。

    その「何か」がある日突然やってくることも知らず。そして「何かあったら」日本になんて帰れないってことも知らずに……。

    そんな私のインドネシアの入院体験記、かなり怖いです。ご覚悟を。

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    目次

    インドネシアの入院体験記

    その日は突然やってくる

    パスタ

    2014年11月、ある日曜日の昼下がりでした。海辺のカフェで友達とランチをしていて、日曜日ということでビールとパスタを注文する私。

    こんないい天気に海辺で飲むビールは最高!のはずなのに、なぜか全然進まない。パスタも全く喉を通らない。あれ? 最後にご飯食べたのいつ?と思いながら、結局ほぼ手を付けずに残してしまいました。

    食いしん坊の私が食べ物を残すなど考えられないこと。家に帰り、横になれば消化もするだろうと、しばらくベッドに横たわっていたものの全然消化の兆しもなく、むしろお腹がどんどん張ってくる。便も出なければおならも出ない。

    これはただ事ではないと、急ぎ病院に駆け込んだのでした。

    病気の予兆

    体重計

    思えば予兆はあったのです。1年ほど前からお腹にうずくような痛みや残便感などがあり、病院に行ったこともありました。エコー検査で子宮筋腫が疑われ、次には過敏性腸炎だからヨーグルトを食べたりヨガをしろなどと言われて、結局これといって治療するわけでもなく帰されていました。

    私も、深刻な痛みでもなかったことから、次回日本に帰った時にでも見てもらおうくらいに思っていたのでした。

    ちょうどその1年前からダイエットを始め、ジムに通うようになっていたこともあり、体重は少しずつ落ちていたのです。体質が変わったのだ、ジムでの運動の効果だとばかり思っていたのですが、実は「腸閉塞」という病気のせいだったのでした。

    病院に駆け込む

    病院

    海外での手術

    家で横になっていると、どんどんお腹が張って苦しくなってきたので、自力で自宅から車で5分ほどの総合病院へ行きました。確か内視鏡検査をしたと思いますが、腸がふさがって針の穴ほどしか開いてない、手術が必要と言われました。

    まさかインドネシアで手術を受けることになるとは! 想定外とはこのこと。でもお腹が苦しくて、今すぐしてほしい! と懇願しましたが先生の都合がつかず、翌日か翌々日の手術になったと思います。

    病室と医療費の関係

    インドネシアでは、病室のクラスによって医療費も変わるという不思議なシステムになっており、私は大部屋でもいいので一番安い部屋を希望したのですが、空いておらず、二人部屋になりました。

    結局入院期間、隣のベッドに患者がいたのは2日間ほどだったのでほぼ個室。外国人に限らずインドネシアでは保険の制度が徹底されていないため、まずは前金になります。つまりお金を払わないと何もしてもらえないということ。

    そういう事情を知っていたのと、つらい思いをしている時にお金の話をされるのも嫌だったので、クレジットカードで30万円ほどデポジットを支払いました

    快適な病室

    インターナショナルな病院だったので、二人部屋だったもののトイレ、シャワー付きで快適でした。近くに看護師の詰め所があったせいか、看護師の話し声、しかも女子高生のようなノリで騒いでいたのを、病気で苦しい思いをしているさなか苦々しく思っていたものです。

    腸の病気だったので、食事は一切取れませんでした。最後にスープを一度飲ませてもらいましたが、塩味がきつく、これが病人に出すスープなのか!とびっくりしました。

    即手術したはいいものの……

    病院

    人生初の開腹手術をインドネシアで

    手術は無事終わり、ドクターは誰かに説明する義務があるのでしょうが、私には親族が誰もいないので、私に断りなく、心配して駆け付けてくれた友人に手術の詳細を報告したと後で友人から聞かされました。聞かされた友人もびっくりですよね。

    こちらでは術後にガンガン痛み止めを打ち、リハビリをして早く回復させる方法を取るようで、翌日から大した痛みもなく歩く練習をしていました。割とすぐに退院できたのですが、私の悪夢は実はこれからだったのです。

    私の悪夢とは

    退院して、すぐに家でシャワーを浴び、一息できるなと思っていた時のことです。シャワーの水が茶色くなって排水口を流れていくのです。いくら何でも私の体がそんなに汚いのか? もしくは井戸の水に何かが混じったのか? いろいろなことが頭をよぎりました。

    が、なんと! それは、お腹の傷から出てきた汚物だったのです。縫合不全。つまり腸がきちんと縫えていなかったのです。

    すぐに病院に戻りましたが、先生は出てきたものを見ていないので、「術後、傷口から粘液が出ることがある」なんてのんびりしたことを言ってました。が、診察台から起きようとした私のお腹から茶色の液体が出てきたのを見て、事態の深刻さをようやく理解してくれました。

    消えていったお金

    受付

    一番最初に30万円ほどのデポジットをクレジットカードで支払いましたが、2日と空けず、請求書を持って事務の人が病室に来ました

    病室代や看護師代は事前に料金表がありますが、薬や注射に関してはいちいち患者に確認などしません。日本は保険が効くので注射の値段など気にしたこともなく、こちらでもいちいち「この痛み止めはいくらなのか」など気にもしなかったのです。

    ところが痛み止めは1本1~2万円ぐらい、CT検査は7万円ほどするのです。日本円で約2万5千円以上の薬になると、初めて患者へ許可の確認に来ますが、それ以外はいちいち患者の意思など確認しないのです。最終的な領収書は3センチくらいの厚みがありました。

    まとめ

    窓

    この手術の後始末は日本に戻って、再度手術をしました。インドネシアの医療は今のところその程度です。検査設備はありますし、ホテルのような病室も快適でした。が、残念なことにドクターの技術は……。

    教訓は、何かあったときには帰れない!ということ。病気にもよりますが、飛行機に乗せてもらえないような重症になる前に、早めに日本に帰国して病院で診てもらうことを強くお勧めしています。

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