バリ島は、透き通るような海と多彩な海洋生物に恵まれたダイビングの楽園です。初心者でも安心して潜れる穏やかなスポットから、上級者向けのダイナミックなドリフトダイブまで揃い、世界中のダイバーを魅了し続けています。
カラフルな魚たち、時にはマンタやウミガメにも出会えるこの島は、旅をより特別なものにしてくれるでしょう。
バリ島のダイビング概要

バリ島はインドネシア・バリ州に位置し、赤道直下の温暖な海域に広がる美しいダイビングスポットが魅力です。年間を通じて水温は26~30度と快適で、透明度も高く、乾季(5月~10月)がベストシーズンとされています。
人気のスポットには、沈船が眠るトゥランベンやマンタが回遊するペニダ島などがあり、初心者からベテランまで幅広い層に支持されています。ダイビングショップも日本語対応が多く、初めての海外ダイブでも安心して挑戦できる環境が整っています。

バリ島のダイビングの特徴

バリ島のダイビング最大の魅力は、ロケーションごとに異なる表情を持つ海の多様性です。例えば、アメッドではカラフルなサンゴとマクロ生物、ヌサ・ペニダでは大物狙いのダイナミックなダイブが楽しめます。特に7~10月にはマンボウ(モラ・モラ)との遭遇チャンスがあり、世界中のダイバーがその一瞬を求めて訪れます。
また、ビーチエントリーができるスポットも多く、機材を背負って歩く負担が少ない点も人気の理由です。観光と組み合わせやすい点も、バリ島ならではの強みです。

バリ島のダイビングの魅力

バリ島の海は、ただ美しいだけでなく、冒険心を刺激するような多様な魅力に満ちています。
色とりどりの魚たちが泳ぐサンゴ礁、世界的にも珍しい生物との出会い、自然が残る海中環境。どのスポットも、ここでしか味わえない特別な体験を提供してくれます。
豊富な生物が見られる
バリ島周辺の海はインドネシアが誇る「コーラルトライアングル」に位置しており、世界有数の生物多様性を誇ります。クマノミやチョウチョウウオといった可愛らしい熱帯魚はもちろん、ウミガメ、マンタ、マンボウなどの大物との遭遇も期待できます。
特にトゥランベンでは、沈船周辺に群れる魚群やマクロ生物の宝庫として知られ、写真愛好家にも人気です。ナイトダイビングでは昼間には見られない珍しい生き物が姿を現し、まるで海の中の別世界に足を踏み入れたかのような体験が味わえます。
様々なスポット
バリ島のダイビングスポットは、島の北東から南部、さらに周辺の離島にまで広がっており、目的に応じて選べるのが魅力です。初心者には穏やかな海が広がるアメッドやサヌールが人気で、リラックスしながら水中を楽しめます。
一方、上級者にはペニダ島やレンボンガン島が人気で、流れの強いポイントでのドリフトダイブや、大型回遊魚との出会いが魅力です。また、沈船が沈むトゥランベンやマクロ撮影に適したパダンバイなど、スポットごとに異なる楽しみ方ができるのもバリ島ならではです。

手つかずの海中世界
観光地として栄えるバリ島ですが、海の中には人の手がほとんど加えられていない自然が今も色濃く残っています。例えば、ヌサ・ペニダのクリスタルベイやマンタポイントでは、透明度の高い海に巨大な岩場や洞窟、サンゴ礁が広がり、そこに息づく生物たちの営みを間近に見ることができます。
特に早朝や干潮時には、光が差し込む幻想的な風景が現れ、まるで異世界に迷い込んだような感覚に。アクセスがやや困難な分、ダイバーにとっては“秘境感”を味わえる特別な場所となっています。

バリ島でできるダイビング

バリ島では、初心者から経験者まで楽しめる多彩なダイビングスタイルがそろっています。気軽に楽しめる体験ダイビング、本格的なファンダイビング、そしてライセンス取得コースまで、目的やレベルに応じて選べるのが魅力です。
ファンダイビング
すでにライセンスを持っている方向けのファンダイビングでは、バリ島各地のバラエティ豊かなスポットを満喫できます。1日で2〜3本潜るのが一般的で、所要時間は約6〜8時間。価格は送迎・ランチ込みで1万円前後〜1万8000円ほどが目安です。
トゥランベンの沈船、ヌサ・ペニダのマンタポイント、マクロ撮影におすすめなパダンバイなど、多彩な地形や生物が魅力です。多くのショップで日本語対応のガイドが在籍しており、言葉に不安がある方でも安心して参加できます。器材レンタルも含まれるプランが多く、手ぶらで参加できる点も魅力です。
体験ダイビング
ライセンスがなくても海中世界を楽しめる体験ダイビングは、初めてダイビングに挑戦する方にぴったりのプログラムです。インストラクターがマンツーマンまたは少人数で丁寧にサポートしてくれるため、泳ぎに自信がない方でも安心して参加できます。
所要時間は半日ほど(約3〜4時間)で、料金は8000〜1万5000円が相場です。アメッドやサヌールなど、流れが穏やかで浅いスポットが主な開催地となっており、色とりどりの魚やサンゴ礁を間近で観察できます。旅行の思い出づくりにもぴったりなアクティビティです。
ライセンスの取得
ダイビングを本格的に始めたい方には、PADIやSSIなどの国際認定ライセンスの取得コースがおすすめです。講習は3日〜4日間が一般的で、学科・プール実習・海洋実習の3ステップで進みます。費用は約4万〜6万円程度で、教材・器材・認定申請費が含まれていることが多いです。
講習は日本語対応のインストラクターが在籍するショップも多く、安心して学べる環境が整っています。海洋実習はアメッドやトゥランベンなどの穏やかな海で行われ、初めてでも安全に技術を習得できます。取得後は世界中の海でファンダイビングを楽しめるようになり、旅の可能性が一気に広がります。
バリ島ダイビングの種類
バリ島のダイビングは、その多様性において世界でも屈指のレベルを誇ります。透明度の高い海では、大物狙いの迫力あるダイブから、小さな生物をじっくり観察する繊細なスタイルまで楽しめます。目的やレベルに応じて選べるのも、バリ島ならではの魅力です。
マンボウダイビング
バリ島で人気のダイビングスタイルのひとつが、ヌサ・ペニダ周辺でのマンボウ(モラ・モラ)ダイビングです。7月から10月にかけて、水温が低下するタイミングで深海から浮上してくるこの巨大魚は、全長2〜3メートルにもなり、まるで空を飛ぶようにゆったりと泳ぐ姿は圧巻です。
主にクリスタルベイなどで目撃され、遭遇率は日によって変動しますが、世界中のダイバーがその神秘的な姿を目当てに訪れます。透明度の高い海に現れるそのシルエットを目にした瞬間、バリ島でのダイビングが一生の思い出になることでしょう。
マクロダイビング
マクロダイビングとは、小さな生物をじっくり観察・撮影するスタイルのダイビングで、バリ島ではトゥランベンやパダンバイが有名なポイントです。擬態に優れたカエルアンコウ、エビやカニ、極彩色のウミウシなど、個性的で珍しい生き物が多く生息しており、カメラ派ダイバーには特に人気があります。
水深も浅く流れが穏やかな場所が多いため、初心者でも安心して楽しめるのも魅力です。ガイドの知識と目が光るバリ島のマクロダイビングは、一度経験すればその奥深さに夢中になること間違いありません。
バリ島のダイビングシーズン
バリ島では1年を通してダイビングが楽しめますが、海のコンディションや出会える生物は季節によって異なります。特に乾季と雨季で大きく特徴が分かれ、それぞれに異なる魅力があるため、目的に応じたシーズン(ベストシーズン)選びが重要です。

乾季(4月~10月)
乾季はバリ島のベストシーズンとされ、ダイビングにもベストな時期です。空気が乾いていて日差しも安定しており、海の透明度が高く、視界が20メートルを超える日も珍しくありません。波も穏やかで、特に7月から9月はマンボウ(モラ・モラ)の出現率が高まり、ヌサ・ペニダ周辺は世界中のダイバーで賑わいます。
また、トゥランベンやアメッドなど東部のスポットはこの時期に特に穏やかになり、初心者でも安心して潜ることができます。観光全体にも適した気候で、ダイビングと一緒にバリ島の文化や自然も楽しめる点が魅力です。
雨季(11月~3月)
雨季はスコールが増える時期ですが、バリ島の雨は短時間で止むことが多く、日中のダイビングには大きな影響はほとんどありません。この時期は海水温が高く、南部やパダンバイ、サヌールなどのエリアでは穏やかな海況が続きます。特にマクロ派ダイバーにおすすで、ウミウシやエビ・カニ類など、雨季ならではの珍しい小さな生き物と出会えるチャンスが増えます。
また、観光客が比較的少なく、人気のポイントでも混雑を避けてのんびり潜れるのも魅力です。料金もシーズンオフ価格で抑えやすく、費用を抑えてゆったり楽しみたい方におすすめの時期です。

バリ島ダイビングポイント7選

バリ島には個性豊かで魅力的なダイビングスポットが多数点在しています。エリアごとに海の表情や見られる生物、環境が異なり、初心者から上級者まで自分に合った場所を見つけられるのが魅力です。訪れるたびに新しい発見があります。
アメッド
アメッドはバリ島北東部にある穏やかな漁村で、ビーチエントリーが可能なため、初心者にも優しいダイビングスポットとして知られています。サンゴ礁が広がる浅瀬には、カラフルな熱帯魚やマクロ生物が多く、のんびりとしたダイビングが楽しめます。
また、水中の地形も美しく、スロープ状のリーフや小さなドロップオフもあり、初心者から中級者まで対応可能です。透明度が高く、朝方には静かでクリアな海が広がり、リラックスしたひとときを味わえます。周辺にはのどかな田園風景が広がり、観光とセットで訪れる人も多い人気エリアです。
トゥランベン
トゥランベンは沈船「リバティ号」のダイビングで有名なバリ島屈指の人気スポットです。第二次世界大戦中に沈んだこの全長約120メートルの船は、現在はサンゴや魚たちの住処となっており、幻想的な水中景観をつくり出しています。
ビーチからわずか数メートルの距離に沈んでいるためアクセスも良く、初心者でも気軽に沈船ダイブが楽しめます。ウミガメや大型のバラクーダ、マクロ生物なども豊富で、あらゆるレベルのダイバーに対応しています。水中写真を撮るにおすすめな場所で、特に朝の光が差し込む時間帯は絶景です。
クリスタル・ベイ(ペニダ島)
クリスタル・ベイはその名の通り、クリアな透明度を誇る美しい海で、マンボウ(モラ・モラ)との遭遇ポイントとして世界的に知られています。特に7〜10月の乾季シーズンには、深場から浮上してくる巨大なマンボウが現れることがあり、多くの上級者ダイバーがその瞬間を求めて訪れます。
ダイブサイトは水深が深く、流れが強いこともあるため、基本的には中〜上級者向けですが、その分迫力のある大物との出会いや、岩場に群れる魚たちの光景が楽しめます。白砂の海底や光の入り方も美しく、神秘的な雰囲気が漂う場所です。
ガマットベイ(ペニダ島)
ガマットベイは、ペニダ島の中でも穴場的な存在で、サンゴの密集度が非常に高いことで知られるダイビングポイントです。湾になった地形は流れの影響を受けにくく、比較的穏やかなコンディションの日が多いため、初中級者でも安心して楽しめます。
海中には健康なハードコーラルが一面に広がり、そこに群れるチョウチョウウオやスズメダイなどが色を添えています。ときにはウミガメやエイも姿を見せたりと、多様な生物との出会いがあります。観光客が比較的少なく、静かで落ち着いた雰囲気の中でダイビングを堪能できる点も魅力のひとつです。
サヌールビーチ
サヌールビーチは、バリ島南部に位置し、アクセスの良さと穏やかな海況で初心者や体験ダイバーに特に人気のスポットです。ビーチエントリーが可能で、水深は浅く、流れも弱いため安心して潜れます。サンゴ礁の間を泳ぐトロピカルな魚たちや、小型のウミウシ、エビなどのマクロ生物も豊富で、カメラ派にもおすすめです。
観光地として整備されたエリアのため、ダイビングの前後にはビーチ沿いのカフェやショップでリラックスした時間を過ごせるのも魅力です。短時間で楽しめることから、観光の合間に潜る人にも人気があります。

ムンジャンガン
ムンジャンガン島はバリ島北西部に位置し、バリ・バラット国立公園内にある自然保護区域です。手つかずの自然が多く残り、海中も例外ではありません。特に有名なのは美しいドロップオフで、水深40メートル近くまで続く垂直な壁には色とりどりのソフトコーラルやカラフルな魚たちが生息しています。
透明度が非常に高く、20メートル以上見通せる日も多いため、景観をじっくり楽しみたい方にぴったりです。アクセスにはボートが必要ですが、その分観光客も少なく、静けさと自然を満喫できる特別なダイビングが味わえます。
タマン・サリ・ビーチ
タマン・サリ・ビーチは、近年整備が進められている注目のエリアで、初心者や体験ダイビングにも適した穏やかな海が広がっています。ビーチからすぐの場所にサンゴ礁が復元されており、浅瀬でも多くの魚たちと出会えるのが魅力です。
環境保全の取り組みが積極的に行われている地域でもあり、人工リーフやリサイクル素材を活用した海中オブジェなど、学びのあるダイビングが楽しめます。家族連れや環境意識の高いダイバーに人気で、今後の成長が期待される新しいダイビングスポットです。
バリ島ダイビングの持ち物3つ

バリ島でのダイビングでは、日本とは気候や海の環境が異なるため、持ち物選びも重要です。快適かつ安全に楽しむために、現地ならではの条件に合わせた持ち物を準備しておくと安心です。以下の3つは特におすすめです。

ラッシュガード
バリ島の海は日差しが強く、水中でも紫外線の影響を受けやすいため、ラッシュガードは必須アイテムです。ウェットスーツの下に着ることで日焼け防止になるほか、クラゲや岩との接触から肌を守る効果もあります。
特に乾季の強い日差しの中では、潜っていない時間にも肌が焼けやすくなるため、休憩中も着用しておくと安心です。通気性と速乾性に優れた素材を選ぶと、快適に過ごせます。現地でも購入可能ですが、サイズや好みに合ったものを日本で準備しておくとより安心です。
酔い止め薬
バリ島の人気スポット、ヌサ・ペニダやレンボンガン島などは、ボートでの移動が必要なポイントが多く、海況によっては波が高くなることもあります。船に弱い方でなくても、揺れが長時間続くと酔いやすくなるため、酔い止め薬は必ず持参しておきたいアイテムです。
ダイビング前に服用することで、不安なく海を楽しむことができます。現地の薬局でも購入は可能ですが、日本で自分に合った薬を用意しておくと安心感があります。できれば、眠くなりにくいタイプのものを選ぶのがおすすめです。
防水バッグ
ダイビングでは濡れた器材や水着、タオルなどを持ち運ぶ機会が多いため、防水バッグはとても重宝します。バリ島のボートダイビングでは、陸から直接海へ出発するスタイルも多く、荷物が濡れる可能性が高いため、電子機器や貴重品をしっかり保護する必要があります。
完全防水のドライバッグや防水ポーチを持っていれば、急な雨や波しぶきにも対応でき、ストレスを感じずにアクティビティに集中できます。軽量で折りたためるタイプが持ち運びにも便利です。
バリ島ダイビングの注意点3つ
バリ島でのダイビングは魅力満載ですが、日本とは異なる環境ならではの注意点も存在します。自然条件や文化の違いを理解し、安全で快適に楽しむために、注意点を事前に把握しておくことが大切です。自然と安全を大切にすることで、より快適で充実したダイビング体験をしましょう。
流れの強いポイント
バリ島にはマンタやマンボウに出会えるヌサ・ペニダなど、世界的に有名な大物スポットが存在しますが、これらの海域は潮の流れが非常に速い場合があります。特にクリスタル・ベイやブルーコーナーなどでは、ダウンカレントが発生することもあり、十分な経験や対応力が求められます。
初心者の方は穏やかなポイントを選び、無理にチャレンジしないことが安全への第一歩です。現地のガイドの説明や指示には必ず従い、流れの状況やエントリーポイントを事前に確認しておきましょう。
船酔いや波の影響
バリ島ではボートを使ってのダイビングが多く、ポイントによっては片道30分以上かかることもあります。特に乾季は風が強く、波が高くなる日も多いため、船酔いしやすい方は事前の準備が必要です。
酔い止め薬の服用はもちろん、前日はしっかり睡眠をとり、空腹や満腹を避けることも効果的です。また、波の影響でエントリーやエキジットが難しくなることもあるため、ボート上での動きや器材の扱いにも注意を払いましょう。揺れに慣れていない方は、最初は近場の穏やかなポイントを選ぶのが安心です。
環境保護への配慮
バリ島の海はサンゴ礁や生物の豊かさが魅力ですが、その自然環境を守るための意識も求められます。フィンでサンゴを蹴ってしまったり、海洋生物に触れたりする行為は、生態系に大きな影響を与える恐れがあります。
また、一部エリアでは保護区域に指定されている場所もあり、立ち入りや行動に制限があることも。ダイビング中は中性浮力を保ち、環境に負担をかけない泳ぎを心がけましょう。環境保全に配慮したダイビングスタイルは、未来の海を守る第一歩です。