バリ島旅行といえばマリンスポーツやビーチリゾートの印象が強いかもしれません。でも、バリ島はその芸術性が世界的に高く評価されている場所でもあるのです。バリ島を代表する芸能の中でも、今回はバリ舞踊にスポットを当ててみます。
バリ舞踊は、本来寺院などで行われる神事の際に披露するものとして発展しました。現在でも村々では伝統にのっとって神事の際に行われる舞踊が存在しています。ここでは、特に代表的なバリ三大舞踊として、レゴンダンス、バロンダンス、そしてケチャックダンスを中心に紹介します。
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バリ舞踊概要

バリ舞踊とは
バリ島観光中に必ず見に行くのがバリ舞踊。バリ舞踊は、インドネシアのバリ島で発生し、長年にわたり発展を続けてきた一連の伝統的なダンス形式を指します。これらの舞踊はその多様性と豊かな表現力で知られています。
バリの祭りや宗教的儀式に欠かせない要素であり、物語を語る手段としても使われます。バリ舞踊は音楽、物語、身体的技巧を結びつける芸術として、視覚的に魅力的で躍動感に満ちた経験を提供します。観客にとっては、バリ舞踊は美的な楽しみだけでなく、バリの精神的な世界への窓でもあるのです。


バリ舞踊の物語性
バリ舞踊といってもさまざまなスタイルがあり、物語性の強いものからストーリーのないものまで多岐にわたります。物語を描くダンスは、ジャワ島の古典劇やインドの叙事詩からの引用で形成されたものが多いです。
舞踊は、単なるエンターテインメントではなく、宗教的な意味合いや道徳的な教訓を観客に伝える役割も担っています。演者たちは、厳しい訓練を受け、表情や動きで感情を表現する技術を磨きます。これにより、バリ舞踊は視覚的な美しさだけでなく、物語の世界に引き込む魅力を持つ芸能として、多くの人々を魅了し続けています。
寺院や集会所で公演
バリ舞踊はバリ島の至るところで開催されています。観光客が鑑賞しやすい場所としては、寺院や集会所などでの公演があります。寺院や集会所で行われるショーはだいたい夜19時前後にはじまるものが多いです。
ただし、ケチャックダンスは夕暮れ時に、バロンダンスは朝に開催されるものもあります。また、大規模ホテルやレストランではディナーショーとしてバリ舞踊が披露されることも多いです。

バリ人の世界観が反映
もともとのルーツはバリ島の神事にさかのぼるものが多いバリ舞踊。そのため、その舞踊にはバリ人の宗教観や世界観が反映されています。
たとえば、善と悪との戦いを描くのはバロンダンスですが、そこにはバリヒンドゥーの教えにある「善と悪とは両立してこそ世界が成り立つ」という考え方が根底にあります。バリ舞踊の背景にある思想を把握しておくと、その芸術性をより深く理解できるでしょう。
バリ舞踊がバリ文化の中心
バリ舞踊は、単なる伝統芸能ではなく、バリ文化の根幹を成す存在です。宗教儀式や村の祝祭には欠かせない要素であり、神々への奉納としても大きな意味を持ちます。
また、歴史や神話の伝承手段としても機能し、世代を超えて受け継がれています。さらに、地域社会の結束を強める役割も果たしており、バリ島の人々の生活と切り離せない深い関わりを持っています。
宗教的儀式としてのバリ舞踊
バリ舞踊は、ヒンドゥー教の信仰と密接に結びついた神聖な芸能です。寺院で行われる儀式では、舞踊が神々への奉納として捧げられ、重要な宗教行事の一環となっています。
特に「ワリ舞踊」と呼ばれる神聖な舞は、観客のためではなく、神々に捧げるために踊られます。これらの舞踊は、バリ島の人々にとって、宗教的な義務であり、精神的な浄化の手段としても重視されているのです。
歴史と神話伝承としてのバリ舞踊
また、バリ舞踊は古代のバリの歴史や神話を継承する手段としても機能します。複雑な振り付けと表情は、英雄、神々、魔物など、古代のキャラクターや物語を視覚的に表現します。
ダイナミックで印象的なバリ舞踊は、歴史と伝統を次世代に伝える役割をも果たしているのです。こうした舞踊は、単なるエンターテインメントではなく、バリ島の歴史と神話を次世代へと継承する役割を担っているのです。
コミュニティのアイデンティティとしてのバリ舞踊
さらに、バリ舞踊は現地のコミュニティの一部として成長してきました。個々の舞踊が特定の村や地域に固有の特性を持つことで、バリの多様な文化を反映しているのです。
これらすべての理由から、バリ舞踊はバリ文化の中心的な要素であり、島の文化的アイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしているというわけです。
バリ舞踊の楽しみ方

バリ島に来たなら、ぜひバリ舞踊を楽しんでみましょう。伝統的なパフォーマンスを鑑賞するのはもちろん、実際にレッスンを受けたり、飛び入りで参加できる機会もあります。
舞踊は神聖なものですが、観光客にも開かれており、初心者でも気軽に体験できます。それぞれの楽しみ方を知り、自分に合った方法でバリ舞踊の魅力を満喫しましょう。
ライブパフォーマンスの鑑賞する
バリ舞踊を最も手軽に楽しめるのが、公演を鑑賞する方法です。観光客向けのショーは毎晩開催されており、ウブド王宮やバトゥブラン村、ウルワツ寺院などが人気の鑑賞スポットです。例えば、ウルワツ寺院での「ケチャックダンス」は、夕日をバックに演じられ、幻想的な雰囲気が魅力です。
料金は公演によりますが、一般的には一人あたり100,000~200,000ルピア(約1,000~2,000円)程度で観賞できます。また、王宮でのレゴンダンスは、優雅な動きと煌びやかな衣装が見どころで、初心者にもおすすめです。
バリ舞踊のレッスンを受講する
本格的にバリ舞踊を体験したいなら、レッスンを受講するのがおすすめです。ウブドを中心に、多くの舞踊スクールや文化センターで初心者向けのクラスが開催されています。1回のレッスンは1時間〜2時間程度で、料金は150,000~300,000ルピア(約1,500~3,000円)ほど。指先の動かし方や基本のステップを学び、簡単な演目の一部を実際に踊ってみることができます。
インストラクターは伝統的な舞踊の専門家が多く、ガムランの生演奏に合わせて踊ることもできるため、まるで本物のダンサーになったような感覚を味わえます。初心者でも丁寧に教えてもらえるので、経験がなくても安心して挑戦できます。

飛び入りで参加する
バリ舞踊をさらに身近に感じたいなら、現地のイベントや祭りで飛び入り参加するのも一つの方法です。特にバリの村々では、定期的に集会所(バレ・バンジャール)で舞踊の練習が行われており、見学していると気軽に声をかけられることもあります。
伝統儀式の場での参加は難しいですが、観光客向けのイベントでは、初心者向けのダンスセッションが設けられることもあり、その場で踊りを学ぶことができます。参加費は無料~100,000ルピア(約0~1,000円)程度と手頃で、バリ島の人々と交流しながら、文化をより深く体験できるのが魅力です。
バリ舞踊の歴史

バリ舞踊を理解するために、その歴史について確認しておきましょう。
起源と初期の形式
バリ舞踊の起源は非常に古く、紀元前にまでさかのぼると考えられています。その初期の形式は、儀式、祭り、農業サイクルと密接に関連しています。
コミュニティが神々や精霊に祈りをささげ、豊穣を願うための道具として活用されていたのです。これらの初期のバリ舞踊は、神聖な力を持つと信じられており、村の人々を神々や自然とつなげる役割を果たしていました。
ヒンズー教の影響
9世紀以降、インドからのヒンズー教の伝播とともに、バリ舞踊はより洗練され、物語的な要素を取り入れるようになりました。
古代インドのエピックである「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」の物語が舞踊の形式で演じられるようになり、これらの舞踊は一層の精神性と芸術的な美を確立しました。また、この期間には新しい舞踊形式も開発され、舞踊技術と表現の範囲が拡大しました。
植民地時代と現代へ
16世紀から20世紀初頭のオランダによる植民地支配の時代、バリ舞踊はさらなる影響と変化を経験します。この時期には、西洋の観客のために新しい舞踊形式が作り出されました。
バリ舞踊はより広範な視覚的表現と、西洋の観客にとって理解しやすい物語構造を取り入れるようになったのです。現代では、バリ舞踊は現地のコミュニティの文化的伝統を維持する一方で、国際的な観光地としてのバリ島のイメージを形成する重要な要素となっています。
バリ舞踊人気の3種類

バリ舞踊の種類は非常に多いのですが、観光客によく知られていて理解しやすいのは次の3種になります。
レゴン (Legong)
レゴンダンスは非常に洗練されたバリ舞踊の一種で、若い女性または少女によって踊られます。レゴンダンスにはたくさんの種類がありますが、観光客向けに演じられるのはだいたい「レゴンラッサム」です。基本のストーリーは、ある王女に求婚した王子が断られて怒り、王女を誘拐してしまったことで戦争になるというあらすじです。
途中ガルーダが現れ、王子と戦いになったりと、見どころがちりばめられています。 雅なガムランの調べに乗って、華やかな衣装を身に着けた女性が躍る様子は、かつて宮殿舞踊として発展したことを納得させるあでやかさを持っています。

バロン (Barong)
バロン舞踊(バロンダンス)は善対悪の永遠の戦いを描く神聖な舞踊です。特にバロン(善を象徴する神秘的な生物)とランダ(邪悪な魔女)の戦いを描きます。バロンダンスは、本来村の広場などで行われ、邪悪な力を追い払い、善の力を引き寄せるための儀式として活用されてきました。
かつては疫払いとして上演されていたものですが、現代では今風にアレンジされて観光客向けに公開されています。 クライマックスの自虐的シーンが見どころの一つとなっています。

ケチャ (Kecak)
ケチャックダンスは、しばしば「モンキーダンス」とも呼ばれます。「ケチャ」あるいは「ケチャダンス」とも称されるこの舞踊は、大量の男性パフォーマーが循環的な「チャクチャク」という声を出すことからそう呼ばれるようになりました。
ケチャのパフォーマンスは大きなグループで行われ、複雑なリズムと合唱による唱歌が特徴です。バリ舞踊の中でも特に人気が高いので、旅行中に鑑賞できる機会は多いと思います。 開催場所も最多で、気軽に見学しやすいので、ぜひ旅行計画の一部として検討してみてください。

その他のバリ舞踊
バリ舞踊としては先に紹介した、レゴンダンス、バロンダンス、ケチャックダンスの3つが有名です。でも、バリで行われるダンスはそれだけではありません。
その他のバリ舞踊として、比較的よく知られているものを紹介しておきます。
バリス (Baris)
「バリス」とは「隊列」を意味しています。非常に男性的なダンスで、戦地へ赴く戦士の興奮状態を描いています。
ストーリーはありません。もともとは複数の成人男性によるダンスでしたが、観光客用にアレンジされたバージョンでは、若い男性や子どもがソロで踊るスタイルのものも人気があります。バリヒンドゥーの神々を守るための戦士として、槍などの武器を手に、甲冑を象徴する幾重にも重なる布を身に着けたダンサーが力強く踊ります。
トペン (Topeng)
「トペン」とは「仮面」を意味しており、その名の通り、仮面を付けたダンサーによる舞踊が展開されます。仮面にはたくさんの種類があり、オダラン祭で催されるトペンでは最大11枚もの仮面を付け替えながら、一人のダンサーが演じます。
物語は、バリ王朝の歴史やジャワ伝説に題材を求めたものが多く、王、老人、道化、女神、将軍などさまざまなキャラクターが巧妙に描かれます。クライマックスには、シヴァ神の化身といわれている「トペン・シダカルヤ」が登場し、トリを務めることが多いです。
サンヒャン・ジャラン (Sanghyang Jaran)
いわゆる「ファイヤーダンス」で、旅行者にも人気が高いです。人形の馬に乗った男性が火の上を走りまわるパフォーマンスです。
火の粉をまき散らしながら演じられるダンスは、異様な雰囲気を醸し出し、もともと悪霊払いだったということを思い起こさせてくれます。
ヒャン・ドゥダリ (Sanghyang Dedari)
ケチャックダンスの原形ともいわれている舞踊で、初潮少女2人によって演じられます。トランス状態になって踊る憑依舞踊で、目を閉じた状態で完全にシンクロした即興振付を見せたり、高度な熟練技を披露してくれたりします。
ルジャン舞踊(Rejang Dance)
女性ダンサーによって披露される舞踊で、神事の際に行われるルジャン・デワでは、初潮前の少女や処女によって演じられます。
シンプルで素朴な衣装を身に着け花かごをかぶった複数のダンサーがシンクロした振付でゆっくりとパフォーマンスするのが特徴的です。村によっては、既婚女性や外国人女性が参加できるバージョンもあります。
クビャール・トロンポン (Kebyar Terompong)
クビャール・トロンポンは、20世紀初頭に誕生した近代バリ舞踊の一つで、ガムランのクビャール音楽とともに踊られます。最大の特徴は、激しい動きと即興的な表現力で、ダンサーは感情豊かに踊りながら、トロンポンと呼ばれる伝統楽器を演奏することもあります。
この舞踊は、優雅さよりも力強さが際立ち、男性ダンサーが演じることが一般的です。特に目や指先の繊細な動きと、力強い身体の動きを組み合わせることで、観客を圧倒するパフォーマンスが生まれます。
タルナ・ジャヤ (Teruna Jaya)
タルナ・ジャヤは、「若き勝者」という意味を持つバリ舞踊で、少年が成長し、成熟した男性へと変わる過程を表現しています。踊りの特徴は、激しい目の動き(セデット)や素早い体の切り替えが多用されることにあり、バリ舞踊の中でも特にダイナミックな演目の一つです。
本来は男性のための踊りでしたが、現在では女性ダンサーが演じることも多く、妖艶さと力強さが融合した独特のスタイルを生み出しています。踊り手の高度な技術が求められるため、観賞する際は、ダンサーの表現力に注目するとより楽しめます。
プニャンブタン (Penyambutan)
プニャンブタンは、「歓迎の舞」として知られ、特に儀式や特別なイベントの際に披露されます。この舞踊は、訪れた人々を温かく迎えるために踊られるもので、観客への敬意を示す意味も込められています。踊りの動きは比較的穏やかで、優雅な指の動きや流れるようなステップが特徴です。
伝統的な衣装をまとった女性ダンサーが、笑顔を絶やさずに舞う姿は非常に美しく、見る者に心地よい印象を与えます。特に、バリの王族や貴族が来賓を迎える際に披露されていた歴史があり、その名残として現在も公式行事などで見ることができます。
ガンブー舞踊劇(Gambuh Dance Drama)
ガンブー舞踊劇は、バリ舞踊の中でも最も古い演目の一つで、14世紀のマジャパヒト王国時代に起源を持つとされています。この舞踊劇は、宮廷文化と密接に関わり、インドの叙事詩「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」に基づいた壮大な物語が演じられます。
特徴的なのは、緩やかで洗練された動きと、独特の歌や台詞が組み合わさったストーリー性の強い演出です。演者は、豪華な衣装をまとい、細やかな表現を駆使しながら長時間にわたる物語を演じます。バリ舞踊のルーツを知る上で重要な演目であり、伝統芸能の奥深さをじっくりと堪能できる舞踊劇です。
ワヤン・ウォン舞踊劇(Wayang Wong Dance Drama)
ワヤン・ウォン舞踊劇は、影絵芝居(ワヤン・クリット)をもとにした舞踊劇で、役者が実際に登場し、影絵の物語を再現するのが特徴です。主に「ラーマーヤナ」の物語が題材となり、ラーマ王子や悪魔王ラーワナの戦いが描かれます。
演者は仮面(トップェン)を着用することが多く、独特の演技スタイルが用いられます。物語は語り手によって進められ、ガムラン音楽が舞台の雰囲気を一層引き立てます。
ジョゲッ・ブンブン舞踊(Joged Bumbung Dance)
ジョゲッ・ブンブン舞踊は、バリ舞踊の中でも比較的カジュアルなスタイルの踊りで、観客参加型のエンターテインメント要素が強いのが特徴です。女性ダンサーが観客の中から男性を選び、一緒に踊るというユニークなスタイルで、指名された男性は断ってはいけないことになっています
踊りのリズムは軽快で、バンブー製の楽器「ブンブン」による伴奏が特徴的です。主に村の祭りや結婚式などの祝祭の場で披露され、バリの人々にとって親しみやすい舞踊の一つです。観光客も巻き込まれることが多く、楽しい雰囲気の中でバリの文化に触れられる貴重な体験ができます。
オレッグ・タンブリリンガン (Oleg Tambulilingan)
オレッグ・タンブリリンガンは、1952年に創作されたバリ舞踊で、蜜蜂の求愛をテーマにした幻想的な演目として知られています。男性ダンサーが力強く舞い、女性ダンサーが優雅に羽ばたくように踊ることで、二匹の蜜蜂の動きを表現しています。
踊りの流れるような動きと、音楽の優雅な旋律が調和し、観客を魅了します。ロマンティックな雰囲気が特徴で、バリ舞踊の芸術性の高さを感じられる作品です。
チェンドラワシ (Cendrawasih)
チェンドラワシは、インドネシアの楽園の鳥「極楽鳥(チェンドラワシ)」をモチーフにしたバリ舞踊です。女性ダンサーが鳥の羽ばたきを表現する美しい動きが特徴で、鮮やかな衣装が舞台を華やかに彩ります。
ダンサーの優雅なステップと流れるような腕の動きが、極楽鳥の美しさを見事に表現しており、観賞用舞踊として非常に人気の高い演目です。
バリ舞踊の演技と見どころ

バリ舞踊は、洗練された動きと豊かな表現力が魅力の伝統芸能です。ダンサーは厳しい訓練を積み、目の動きや指先の動きまで細かく計算されたパフォーマンスを披露します。
煌びやかなコスチュームやガムランの生演奏が舞台を彩り、観客を幻想的な世界へと引き込みます。バリ舞踊ならではの独特なリズムと緻密な振り付けは、他の舞踊にはない奥深さを持ち、観る者を魅了し続けています。
舞踊者の訓練と役割
バリ舞踊の舞踊者は、幼少期から厳しい訓練を受けます。身体の柔軟性、音楽への理解、精密な手と足の動き、表情を使った感情の表現など、バリ舞踊のさまざまな要素を学びます。
舞踊者はまた、特定の神話や物語の理解を深め、それらを効果的に視覚化するための技術を習得します。パフォーマンスを通じて観客にバリの神話や歴史を伝える舞踊者の役割は、非常に重要なものだと認識されています。
コスチューム
バリ舞踊のコスチュームは、鮮やかな色彩と豪華な装飾が特徴です。女性ダンサーは、金糸をあしらった布(カイン)をまとい、胸元には煌びやかな装飾が施されます。また、頭には花飾りや金色の冠(ゲルンデ)を着け、王族や神々を象徴する姿を演出します。
一方、男性ダンサーは、武勇を表す甲冑風の衣装や、長いスカーフ(サプット)を巻いたスタイルが一般的です。役柄によって衣装のデザインも異なり、悪役を演じる際は黒や赤を基調とした衣装が使われることが多いです。繊細な模様が描かれた衣装や、豪華なアクセサリーは、舞台の華やかさを際立たせ、バリ舞踊の美しさを一層引き立てています。
音楽と伴奏
バリ舞踊の舞台には、ガムラン音楽の生演奏が欠かせません。ガムランは、青銅製の打楽器を中心としたオーケストラで、独特の金属音と複雑なリズムが特徴です。演目によって音楽の雰囲気は異なり、神聖な舞踊にはゆったりとしたメロディー、戦いを描く舞踊には力強いリズムが用いられます。特にクビャール音楽は、舞踊者の動きと完全にシンクロし、即興的な表現を可能にします。
さらに、ケチャックダンスでは「チャッ、チャッ、チャッ」という人間の声のみで構成された合唱が演奏の役割を果たし、バリ独特のリズムを作り出します。視覚と聴覚の両方で楽しめる音楽の奥深さが、バリ舞踊の魅力を一層際立たせています。
舞踊パフォーマンスの描写
例えば、バロン舞踊のパフォーマンスでは、舞踊者は獣の形をしたバロンのコスチュームを着て舞台に登場します。物語は善と悪の戦いを描き、舞踊者はその動きと表情で物語を視覚的に表現します。
音楽は激しく鳴り響き、観客は舞踊者の各動作と音楽のリズムに引き込まれます。 パフォーマンスは視覚的で感情的であり、バリの神話と文化を豊かな表現力で伝えます。
バリ舞踊の宗教的および文化的意義

宗教的儀式や祭りでのバリ舞踊の役割
バリ舞踊はバリヒンドゥー教の宗教的儀式や祭りにおいて中心的な役割を果たします。これらの舞踊は神々への奉納、または悪霊を鎮めるために行われることが多く、コミュニティにおいて、神聖な力を持つものと見なされてきました。
舞踊は神々とのコミュニケーションの形式として使われ、人間と神々との間の橋渡しの役割を果たしています。
物語、神話、歴史の伝達におけるその役割
バリ舞踊はまた、古代の物語、神話、歴史を伝える重要な媒体でもあります。舞踊の中には古代のエピック、ヒンドゥー教の神話、現地の伝説を描くものが多く、これらの舞踊を通じてバリの文化遺産は次世代へ伝えられます。
舞踊は視覚的で感情的な表現を通じて物語を効果的に伝えるため、観客に深い印象を残し、教訓を教える強力な手段となっています。
バリ社会の一部としての意義
バリ舞踊はまた、バリの社会文化的生活の不可欠な一部ともなっています。舞踊はコミュニティの絆を強化し、共同体のアイデンティティと連帯感を形成する重要な役割を果たします。
特定の村々やコミュニティは独自の舞踊形式を持ち、それらはその地域の特性や歴史を反映しています。また、バリ舞踊はバリの人々にとって誇りと自尊心の源であり、彼らの文化遺産を尊重し維持する意欲を刺激するものでもあるのです。
まとめ
バリ舞踊は、その神秘的な美しさと深遠な意味を持つ物語を通じて、人々に深い印象を与える芸術形式です。バリの神聖な信仰体系と古代の伝統を具現化し、その文化と歴史を視覚的に描写します。それはまた、コミュニティを結びつけ、バリの人々に自己認識と誇りをもたらします。
ライブのバリ舞踊パフォーマンスは、視覚的で感情的な体験であり、観客にはバリの文化と精神性の深い理解を得られるでしょう。これらの理由から、バリ舞踊は必見の芸術形式であり、その魅力と意義を理解することはバリ文化への洞察を深めるのに役立ちます。演劇的要素が強いバリ舞踊では、劇内にセリフもあります。
しかし、通常はバリ語で演じられるため、理解は難しいです。日本語のあらすじが紹介されたリーフレットが配布される場合が多いので、あらかじめ目を通しておくと、ストーリー理解に役立ちます。また、バリ舞踊の見どころは独特の振付や音楽、衣装やメイクなど、ストーリーが理解できなくても楽しめる要素が多いです。 ガムランの音楽に身をゆだね、リラックスした気分でバリの雰囲気を味わってみてください。