バリ島観光の中でも、ウブドに位置するサラスワティ寺院は特に人気のスポットです。美しい蓮の池に囲まれ、ヒンドゥー教の女神サラスワティを祀ったこの寺院は、訪れる人々を魅了しています。
その神秘的な雰囲気と芸術的な建築は、写真撮影や文化体験に最適な場所です。観光名所としても知られる一方で、静けさを保ち、信仰心を大切にする場所でもあります。ここでは、サラスワティ寺院の概要やアクセス方法、訪れる際の注意点などを詳しく紹介します。
サラスワティ寺院概要

ウブド中心部に位置するサラスワティ寺院は、芸術と知恵を司る女神「デウィ・サラスワティ」を祀る美しい水の寺院です。寺院前に広がる蓮池とバリ建築の繊細な装飾が印象的で、観光客にも人気のフォトスポットとして知られています。
バリ舞踊の公演も行われ、文化と美の融合を体感できる特別な空間です。静けさと神聖さに包まれたこの寺院は、ウブド散策の合間に立ち寄りたい癒しの場所としておすすめです。

芸術と知恵の女神「デウィ・サラスワティ」
サラスワティ寺院の主祭神である「デウィ・サラスワティ」は、バリ・ヒンドゥー教において芸術、学問、音楽、知恵を司る女神です。インド神話にも登場するこの女神は、白鳥に乗り、手には書物や楽器を持つ姿で表されることが多く、クリエイティブな力の象徴として多くの信仰を集めています。
バリ島では、子どもたちの勉強の始まりや、芸術活動の成功を祈る際にサラスワティへ祈りを捧げる文化が根づいています。この寺院もまた、芸術の町ウブドにふさわしく、静かで神聖な雰囲気に包まれており、訪れるだけで心が洗われるような感覚を味わえるでしょう。
蓮の名所
サラスワティ寺院は、その美しい蓮池でも知られています。参道の両側に広がる広大な池には、ピンク色の蓮の花が季節ごとに咲き誇り、訪れる人々の目を楽しませてくれます。朝方や夕暮れ時には、静かな水面に花々が映り込み、まるで絵画のような光景が広がります。
バリ建築の細やかな彫刻と、自然の美しさが融合したこの景観は、写真撮影にも絶好のスポットです。寺院自体の装飾も蓮と深い関わりがあり、神聖な存在として扱われています。
サラスワティ寺院の見どころ

サラスワティ寺院は、蓮池の美しさとともに、バリ伝統舞踊が楽しめる寺院としても知られています。特に夜の舞踏会は幻想的で、ライトアップされた寺院の前で繰り広げられる踊りはまさに神秘そのもの。
また、赤茶色のレンガ造りの門も見応えがあり、バリ建築の美しさを堪能できます。自然と芸術、信仰が調和した空間で、心に残る体験ができる名所です。
バリ舞踊
サラスワティ寺院では、バリ伝統芸能の象徴であるバリ舞踊を鑑賞することができます。舞踊は、バリ・ヒンドゥー教の神話や伝説をもとに構成され、手の動き、目線、表情、衣装すべてに意味が込められており、まさに“生きた芸術”です。踊り子たちの繊細かつ力強い表現は、観る人の心を一瞬で引き込みます。
寺院の神聖な空間で行われるため、舞踊そのものが儀式のように感じられ、バリの精神文化を直に体験する貴重な機会になります。観光客向けにも定期的に上演されており、事前にスケジュールを確認すれば気軽に楽しむことができます。

夜の舞踏会
夜のサラスワティ寺院は、昼間とはまったく違う表情を見せてくれます。ライトアップされた蓮池と赤レンガの建築が幻想的な雰囲気を生み出し、その前で行われるバリ舞踊はまさに「神々の舞」のよう。夜の舞踏会は19:30頃からスタートすることが多く、チケットは入り口で当日購入できます。
料金も手頃で、観光の締めくくりにぴったりな特別な時間を過ごせます。照明に浮かび上がる踊り子たちの動きやガムランの音色が、ウブドの夜をより楽しませてくれるでしょう。
赤茶色のレンガの門
サラスワティ寺院の象徴ともいえるのが、入り口にそびえる赤茶色のレンガ造りの門です。この門は「チャンディ・ブンタル」と呼ばれる割れ門形式で、バリ建築の伝統を色濃く残す造りになっています。細やかな石彫りが施された表面には、神話の登場人物や神々の姿が描かれ、装飾美としても見応えがあります。
背景に蓮池や寺院の塔が重なる構図は、まさにバリらしい絶景で、写真撮影スポットとしても人気。門をくぐることで、日常から神聖な空間へと足を踏み入れる感覚があり、訪れる人の気持ちを自然と引き締めてくれます。
サラスワティ寺院への行き方

サラスワティ寺院はウブド中心部に位置し、アクセスは非常に便利です。ングラ・ライ国際空港(デンパサール国際空港)からウブドまでは車で約1時間半の距離です。空港からはタクシーやカーチャーターを利用するのが一般的で、事前に予約すればスムーズに。ウブド中心部に宿泊している場合は、徒歩や自転車で訪れることもできます。
寺院はウブド王宮やマーケットから徒歩数分の距離にあり、周辺の観光スポットと合わせて訪れるのがおすすめです。ローカルガイド付きツアーを利用すれば、寺院の歴史や文化についてより深く学ぶことができます。
「【プロ厳選】バリ島のおすすめ観光地19選!絶対に行きたいスポットを解説」にて人気の観光スポットを紹介しています。
タクシー
タクシーは、短時間でシンプルに移動したい人におすすめの手段です。クタやスミニャック、サヌールなどからサラスワティ寺院までの距離は約30〜35km、所要時間は約1.5〜2時間です。料金は片道でおよそ300,000〜400,000ルピア(約3,000〜4,000円)が目安。
事前に配車アプリ(GrabやGojek)を使えば、料金トラブルの心配も少なく安心です。ただし、帰りのタクシーがつかまりにくいことがあるため、往復で交渉するか、事前にドライバーと連絡を取れるようにしておくとスムーズです。

カーチャーター
バリでの観光スタイルとして人気なのが、ドライバー付きのカーチャーター。サラスワティ寺院の見学に加え、近隣の観光地(モンキーフォレスト、ウブド市場、ライステラスなど)もあわせて巡りたい方に特におすすめ。
料金は1日(約8時間)で600,000〜800,000ルピア(約6,000〜8,000円)程度が相場で、グループや家族旅行ならコスパも抜群。荷物の管理や移動の疲れを最小限に抑えられるのも大きな利点です。

ツアー
より深くバリ文化を体験したい方には、ガイド付きの観光ツアーへの参加がおすすめです。多くのツアーはウブドエリアの主要スポット(サラスワティ寺院、ティルタ・エンプル寺院、テガラランの棚田など)を1日で効率よく巡るように構成されており、文化や歴史の解説を聞きながら観光できるのが魅力です。
料金は約900,000〜1,200,000ルピア(約9,000〜12,000円)前後で、移動費、入場料、昼食付きのプランもあります。英語や日本語に対応したガイド付きプランもあり、初めての方や短期間で充実した旅をしたい方におすすめです。
サラスワティ寺院観光のベストシーズン

サラスワティ寺院を訪れるベストシーズンは、乾季にあたる4月から10月です。この期間は天候が安定しており、観光に最適な日和が続きます。特に朝早く訪れると、観光客も少なく、静けさの中で寺院の美しさを堪能できます。
ただし雨季(11月〜3月)も緑が濃く、蓮がより生き生きと見える魅力的な時期です。また、学問と芸術の女神を讃える「サラスワティ祭」の日には、現地の人々の祈りと文化にふれられる貴重な体験ができます。

乾季
乾季のバリ島は、湿度が低く、日差しも安定しているため、観光にもっとも適したシーズンです。サラスワティ寺院では、この時期に訪れることで、美しい蓮池とバリ建築の細やかな彫刻を、晴天の下でじっくりと楽しむことができます。
特に朝や夕方は光が柔らかく、池に映る蓮の花や石像、赤レンガの門がより一層美しく見え、写真映えも抜群です。涼しい風が吹く夕暮れ時には、寺院全体が幻想的な雰囲気に包まれ、バリならではの静けさと神聖さを感じられるひとときを過ごせます。
雨季
雨季(11月〜3月)は、短時間のスコールがあるものの、植物が潤い、蓮の花や周囲の緑がより鮮やかに映える季節です。サラスワティ寺院に咲く蓮も生き生きとし、水面に広がるその姿は神秘的な美しさを見せてくれます。観光客も比較的少ないため、静かな雰囲気の中でゆっくりと散策できるのも雨季の魅力です。
午前中は比較的天気が安定していることが多いため、早い時間の訪問がおすすめです。また、霧がかかる日には寺院全体が幻想的な雰囲気に包まれ、晴れの日とは違った表情を見せてくれます。雨具を持参しておけば、雨季でも快適に観光を楽しむことができるでしょう。
サラスワティ祭
サラスワティ祭は、学問と芸術の女神「デウィ・サラスワティ」に感謝を捧げるバリ・ヒンドゥー教の大切な祭礼です。この日は主に学校や寺院で書物や楽器への供物が捧げられ、知識と表現の力に敬意を表します。サラスワティ寺院では、この日に合わせてバリ島の人々が正装で訪れ、供物を手に祈りを捧げる神聖な光景が広がります。
観光客も見学が可能で、バリの精神文化を体感する貴重な機会となります。日程はバリ暦に基づいて年ごとに変動しますが、通常は210日に一度、土曜日に行われます。この祭りに合わせて訪れれば、寺院の本来の姿や信仰の息づく瞬間に立ち会うことができ、心に残る特別な体験になることでしょう。
サラスワティ寺院の営業時間と入場料金

サラスワティ寺院はウブド中心部にあり、自由に立ち寄れる開放的な寺院です。蓮池や伝統建築を眺めながら散策でき、静かな時間を過ごせます。日中の観光はもちろん、夜のバリ舞踊鑑賞も人気です。
- 営業時間: 毎日 8:00〜18:00(バリ舞踊公演は19:30頃〜)
- 入場料: 無料(舞踊鑑賞時は大人100,000ルピア前後、子供料金あり)
サラスワティ寺院訪問時の服装
サラスワティ寺院を訪れる際は、ヒンドゥー教の礼儀を尊重した服装が求められます。肩や膝が隠れる服装を選び、ショートパンツやタンクトップは避けるようにしましょう。入口で貸し出されるサロン(腰布)とスカーフを利用することで、簡単に適切な服装を整えることができます。これらは無料または少額の寄付で提供されます。
また、日中は気温が高くなることが多いため、通気性の良い素材の服を選ぶと快適です。寺院を訪れる際は、写真撮影のマナーを守り、礼拝の妨げにならないよう心がけましょう。
サラスワティ寺院観光の注意点
サラスワティ寺院は芸術と信仰の場であるため、観光の際にはマナーや服装に配慮することが大切です。蓮池やバリ舞踊など見どころが多い一方で、神聖な空間であることを忘れず、静かに行動しましょう。また、早朝の訪問や歩きやすい靴の準備、写真撮影時の配慮なども快適な観光のために欠かせません。以下に、サラスワティ寺院ならではの注意点を詳しくご紹介します。
早朝出発がおすすめ
サラスワティ寺院をじっくり楽しみたいなら、早朝の訪問がおすすめです。午前中は観光客も少なく、静かで神聖な空気が流れる中で蓮池や寺院の彫刻をゆっくりと鑑賞できます。特に朝の光は柔らかく、池の水面や蓮の花が美しく映えるため、写真撮影にも絶好のタイミングです。
日中は気温も上がり、ウブドの中心部という立地から周辺が混雑することもあるため、早めの行動が快適な観光につながります。また、近隣のウブド王宮や市場も朝から開いているため、寺院とあわせて午前中に散策プランを組むと、効率よく1日をスタートできます。
敬意を払うこと
サラスワティ寺院は観光地であると同時に、バリ・ヒンドゥー教の信仰の場です。写真撮影や散策を楽しむ際も、敬意をもって静かに行動することが求められます。寺院内では大声での会話やふざけた行為は避け、特に現地の人々が祈りを捧げている場面では距離を保つことが大切です。
写真を撮る際も、祈る人々を無断で写さないなど、最低限のマナーを守りましょう。バリでは「神聖な空間に入る」という意識を持つようにしましょう。
歩きやすい靴で
サラスワティ寺院の敷地内は石畳や砂利道が多く、滑りやすい箇所や段差もあります。そのため、歩きやすい靴を選ぶことが大切です。特に蓮池周辺では写真を撮るために池沿いを歩く場面も多く、ヒールやサンダルでは不安定になることがあります。
雨季には地面がぬかるむこともあるため、滑りにくいソールのスニーカーや、履き慣れたフラットシューズが安心です。また、寺院周辺はウブド中心部の観光エリアでもあるため、その後に市場や他の観光地を歩く予定がある場合でも、歩きやすさは非常に重要なポイントになります。
写真のポーズはあらかじめ決めておく
サラスワティ寺院は写真映えするスポットとして人気があり、特に蓮池を背景にした撮影は多くの観光客が楽しみにしているポイントです。しかし、混雑時には撮影待ちになることもあり、ポーズをその場で迷ってしまうと周囲に気を遣わせてしまうことがあります。そのため、事前にどんな構図で撮りたいか、どんなポーズをしたいかをある程度考えておくとスムーズです。
SNSで他の人の写真を参考にしたり、スマホの角度や立ち位置を事前にイメージしておくのもおすすめ。また、神聖な場所であることを考慮し、不適切なポーズや誇張した表現は避け、美しさや落ち着きが感じられる写真を意識すると、よりインスタ映えする1枚となります。
寺院に入れない人
バリの寺院には、宗教的な理由から一時的に立ち入りが制限される場合があります。特に女性の場合、「生理中は寺院に入れない」という伝統的な決まりがあるため、訪問前に自分の体調や状況を確認しておくことが必要です。この決まりは神聖な空間を保つためのものであり、バリ・ヒンドゥー教の信仰に根ざした文化的背景があります。
また、怪我や出血がある場合も同様に、寺院への立ち入りを控えるよう案内されることがあります。入場口に説明書きがある場合も多いですが、あらかじめ理解しておくことで現地で戸惑うことなく、文化に対する敬意も示せます。信仰を大切にするバリの人々への配慮として、こうしたルールを尊重した行動を心がけましょう。
サラスワティ寺院への持ち物
サラスワティ寺院を訪れる際の持ち物には、快適な観光をサポートするアイテムを用意すると便利です。特に、日差しが強いバリ島では、帽子や日焼け止めクリームが必須です。
また、蓮の池や周辺を散策する際に水分補給が欠かせないため、飲み物を持参しましょう。ただし、寺院内での飲食は控える必要があります。突然のスコールに備えて、コンパクトな折りたたみ傘やレインコートもおすすめです。カメラやスマートフォンを持参する場合は、礼拝中の撮影を控えることを忘れずに。荷物は軽量にまとめ、観光を楽しむ準備を整えましょう。
「バリ島旅行の持ち物リスト。絶対に持って行くべきものから、あると便利なものまで」にてより詳しい持ち物を紹介します。

周辺の観光スポット
サラスワティ寺院の周辺には、バリ文化や芸術にふれられる観光スポットが点在しています。徒歩圏内でアクセスできるため、半日〜1日のウブド散策にぴったり。
伝統建築や舞踊、美術に触れることで、バリの魅力をより深く味わえます。以下では、寺院とあわせて訪れたいおすすめの周辺スポットを3つご紹介します。
プリ ルキサン美術館
プリ ルキサン美術館は、バリ絵画の発展に大きく貢献した美術館で、伝統的な絵画から現代アートまで幅広く展示されています。
静かな庭園と調和した展示空間は落ち着いた雰囲気で、芸術に触れたい方に最適です。寺院から徒歩3分ほどでアクセスでき、芸術の町ウブドらしい感性豊かな時間が過ごせます。
ウブド王宮
ウブド王宮は、サラスワティ寺院のすぐ隣にあるウブドの中心的存在で、バリ伝統建築の美しさを間近に感じられる歴史的建造物です。
現在も王族が居住していますが、一部は一般公開されており、豪華な彫刻や門構えは写真スポットとしても人気。夜にはバリ舞踊の公演も行われ、文化体験にもおすすめです。

スラマ ラティ
スラマ ラティは、ウブド中心部にある人気の伝統舞踊劇団で、サラスワティ寺院の舞台でもよく公演を行っています。彼らのパフォーマンスは、正統なバリ舞踊と音楽を受け継ぎつつ、初心者にもわかりやすい演出で構成されており、観光客にも高く評価されています。
きらびやかな衣装と緻密な動き、ガムランの生演奏が融合した舞台は、まるで神話の世界に入り込んだような迫力。事前予約も可能で、上演は主に夜19:30頃から。芸術の街ウブドで、心震える文化体験をしたい方にとっては必見のエンターテイメントです。
まとめ
サラスワティ寺院は、美しい蓮の池と芸術的な建築で訪れる人々を魅了する、バリ島を代表する観光スポットです。信仰の場としての神聖さを尊重しながら、その文化と歴史を体感できる貴重な場所です。
訪問の際は、適切な服装や持ち物を準備し、マナーを守ることが大切です。乾季の朝に訪れることで、静かな雰囲気と美しい景観をより楽しむことができます。ぜひ、サラスワティ寺院を旅のプランに加え、バリ島の豊かな文化を堪能してください。